第1章 チョコが欲しい
教師人気ランキング上位の煉獄先生、授業は分かり易く生徒への気配りも優しさも有りファンクラブがあるとかないとか。ルックスでも女子生徒からの人気は多く、親しみやすい性格で兄貴分なところは男子生徒から人気がある部分だと前年のアンケートという名のランキング投票で判明している。勿論、華自身も煉獄の授業は好きだった、途中から始まる騎馬戦やチャンバラごっこ等々には少し呆れてはいるが。
「上の空、だったね華。具合でも悪いのか?」
そう言って覗き込んで来たのは炭治郎だ。目の前でユラユラと耳飾りが揺れている。首を横に振り、考え事をしていただけ、と言うと炭治郎はホッとして笑顔を浮かべた。
「そっか、何かあったら俺に相談してもいいぞ!それじゃ、店の手伝いあるから。また明日!」
ニコリと微笑んで華の頭をポンと優しく撫でて出て行く炭治郎の背中を見ながらポツリと呟く。
「本当に優しいな炭治郎君は」
高校で同じクラスになったけれど、クラスメイト男女問わず優しい炭治郎。曲がったことが大嫌い、というような少し頑固な部分はたまに見え隠れするがとても明るく大人な部分が多い。中学時代を知らないけれど、昔から女子にモテていたんじゃないかと推測できた。