第59章 それぞれの

一方、重國と晴美は真剣に読み、そしてよく考えられた最良且つ効率的なスケジューリングに頷くしかなかった。


重「分かった。明日からこの通りに行動しよう。だが準備がある。これからこういう事はもっと早くに言いなさい。」

「はい。申し訳ありません。」


晴「お祖父様とお祖母様も菫を随分と心配していたから喜ぶわよー。」


そうは言われても菫は少し緊張した面持ちになった。

母方の祖父母が、柔らかく表情豊かな妹の方を特別可愛がっている事を知っていたからだ。

それでも親戚との対話は、杏寿郎と早く一緒になる為にも必要な事だ。


(楽しい事だけしていても幸せになれない。頑張らないと胸を張って煉獄家に嫁げない。祝言の時、杏寿郎さんまで変な目で見られてしまうかもしれない。)


菫はそう思うと口をきゅっと結んだ。




そしてその夜、約束通りやって来た要に手紙を託した。


「要さん。ありがとうございます。杏寿郎さんの元へお届け下さい。」


菫はそう言うと用意しておいた要が好む豆を与えたのだった。