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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第15章 青の日々 (及川徹)



「岩ちゃん岩ちゃん!」

教室から体育館まで走って向かって岩ちゃんにダイブする。よろけずに受け止めてくれる岩ちゃんはなんだかんだ言って優しいと思うんだ。

「っぶねえな!おせえぞクソ川ァ!」

「聞いてよ岩ちゃん!!」

「なんだよ」

「ちゃんの志望校しってる??」

「あ?青城だろ?」

あっれえ??なんで知ってんの…?

「なんで岩ちゃん知ってるの!?ていうかなんで教えてくれなかったの!?」

「知ってると思ってたわ」

「さっき知ったんだけど!?」

「そうか」

もー!!俺にはすんなり教えてくれなかったのに岩ちゃんにはすぐ教えてた!!悔しい!え、もしかしてちゃんて岩ちゃんのこと好きだったりする?無理なんだけど!ちゃんが脳筋になっちゃう!!

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『及川ぁ』

次の日、俺が登校してくるなり透き通った声に呼ばれた。

「なに!なになにちゃん!」

「犬か」

「うるさい岩ちゃん!ていうかちゃんに飼われるなら本望でーす!」

ちゃんが俺を呼びつけるなんて珍しい!

『学ランかして』

「え?」

幻聴…?俺の学ランをちゃんが着るの?萌え殺されるって事?天国?

『学ラン。貸して?』

「え、うん、いいの!?」

『いいのってなに。頼んでるの私なのに。』

「もちろんいいに決まってる!ていうか俺以外から借りないで?」

『ん、ありがと』

「ちなみにいつ使うの?」

『明日の放課後。学ランプリっていうのが流行ってるんだって。誘ってもらったから行きたくて。』

何その素晴らしいイベント!

ちゃんと仲のいいクラスの女子に視線を移すとグッと親指を立てられた。あなたの差し金でしたか!ありがとうー!!

休み時間にその子がよく飲んでいるパックジュースを差し入れがてら話を聞くことにした。

「はいこれお礼です。」

「お、これ好きなやつ〜よく知ってたね」

「君はこれが好きってちゃんが前に言ってた。だから私もたまに飲むんだーってね!」

「ははっそう、ありがとね〜」

ちゃんとの会話は全部覚えてる。
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