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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第1章 好きです先生 (松野千冬)


side千冬

「おい千冬どーしたんだよおー
さっきから落ち着きねえぞ?」

「いや、大事件だ相棒…」

「え…抗争…とか言わねえよな…?」

「んなことより大事件だよ…!」

キーンコーンカーンコーン

「抗争より大事件てなんだよ千冬ううっ
怖いじゃねえかよ!後で聞かせろよなあ!?」

わーわー騒ぐたけみっちの声なんて聞こえねえくらいに俺の心臓の音がうるさい。俺の初恋にして最愛のちゃんが担任…?マジでどーなってんだよ頭まわんねえ。

『HRぶりですねっ
改めまして今日からこのクラスの担任兼英語を担当させて頂きます、です。よろしくね!』

「せんせー早速質問いいですか!」

『はい、花垣くん!』

真っ先に手を挙げてちゃんに質問をなげかける相棒。一限の英語なんていつもなら爆睡かましてんのに…昨日の夜だってあんま寝られなかったってのに…。眠いどころか冴え渡ってるわ…。

「先生は何歳スカ!」

『私は…23歳です…!
皆の8コ上かな?オバサンていうなよー?』

可愛いだの胸デカイだのもっと若く見えるだのクラスの男子がザワつき始める。ちゃんをエロい目でみてんじゃねえよ…!

「はいっ」

『お!えーっと山岸くん!』

「ちゃん先生は彼氏いますかあ!」

『…彼氏は…いません…っ』

あれ…え?

たしかちゃんには3つ年上の彼氏がいたはずで…俺から見たら11コも年上…いつもすげえ仲良くて…だから俺もあんまグイグイ行けなかった。相手も相手だったし…。なのに…別れたのかな。普通ならチャンスだって喜ぶとこだけどちゃんの表情がどことなく悲しそうで素直に喜べなかった。

「彼氏いないんすか!」
「俺立候補するっす!」
「俺と付き合ってよー!」

彼氏がいないと分かって寄ってたかってちゃんに言いよる奴らにいらだちが募る。お前らみてえなガキ相手にするわけねえだろ。…って俺もか…。

「あのっ」

『はい、橘さんっ』

「どうしたら先生みたいに綺麗になれますか?」

『そんな…え…綺麗かな…!?』

「綺麗ですよ!
私先生みたいに綺麗な女性になりたいです!」

「ちょ、ヒ、ヒナぁ!
それ以上綺麗になってどーすんだよ!!」

んだよこのカップル…
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