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【FF10】緋色のそばに

第9章 幻光河


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水中に引き込まれると機械のてっぺんにある透明な球体の中に無理やり入れられてしまった。

目の前でウエットスーツを着た男女がなにやら言い争いしているようだ。


「けやっく!? ヨオリソゆうなギャハミモ!!」
(ケヤック!? このひとユウナじゃないよ!!)


「ハシ!? しょーかんしダヌカッセサソヨノシ、ミサタユトユエセチサンガボ?」
(なに!? ショーカンシがすわってたところに、いたやつをつれてきたんだぞ?)




どうやら私を引きずりこんだのはアルベド族のようだ。
『テレポスフィア』でユウナの隣に座ったから間違えたのか、本当の狙いはユウナだったらしい。

私はアルベド語を話せないけど聞き取ることは出来るので、彼女らが何を話しているかは筒抜けである。

どうやってみんなのところに戻ろうか考えていると、シパーフのほうからティーダとワッカが泳いでくるのが見える。
それに気がついたのは私だけでなかったらしく、男のほうはどこかへと泳ぎ去っていき、女のほうは機械の中へと入っていく。




「サーシャ!いま助けるっす!」


2人ともテンポよく攻撃しているが、アルベドの機械は意外と頑丈でなかなか壊れない。
弱点である雷属性の魔法が使えればすぐに片付くのだが…
あいにく2人とも黒魔法はからっきしだ。


「しょうがないわね…加勢してあげる。サンダガ!!」


機械の中から魔法を発動させるとその魔法が効いたのか、機械のいたるところがスパークし始める。どうやら効果は抜群のようだ。


「あれ…このままだと私がやばいわね?」


自分の状況がいかに悪いか今更気づかされる。
どうにか脱出しようと急いで剣を取り出し、とりあえず目の前の球体に向かって斬りつける。すると案外すぐに球体は壊れたが、その瞬間大量の水が入ってくる。


「あ。そこまで考えてなかった…」


考える間もなくすぐに水中に放り出されてしまい、息が出来なくなってしまう。


「ぐっ…!!」


息も続かず遠目でティーダとワッカが助けにきているのを見たのを最後に意識を失ってしまった。

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