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【FF10】緋色のそばに

第2章 ビサイド島


「キマリ!?」


港まで向かう途中、キマリがティーダに突然襲い掛かる。

それまで武器を使ったこともなかった少年が、キマリとほぼ互角に渡り合っている。
ブリッツ選手ってこともあって、運動神経がずば抜けているようだ。


「もういいだろ!」


ワッカの制止の言葉でその戦いに終止符が打たれる。
キマリは握っている槍を下ろし、そのままその場を立ち去ってしまった。

いきなり襲われた当の本人は、驚きとも怒りとも取れる言葉を口にする。


「なんだよアイツ!」


「キマリ=ロンゾ……ロンゾ族の青年。魔物の技をおぼえて使いこなす」


代わりにルール―が彼について淡々と答える。


「そういう意味じゃなくて」


きっと何でいきなり襲ってくるんだよ!
という意味なのだろう。


「あいつもユウナのガードさ」


ふふふとユウナが笑いながら話を続ける。


「キマリってとっても無口だから、私達にもよくわからないんだ。でも私が子供のころからずっと守ってくれてるの」


「あんなんでコミュニケーションとれるのかよ…」


それにもユウナが笑いながらこう答える。


「あ、でもサーシャさんだけは特別かな」


「サーシャ?あ、昨日ワッカが紹介してくれた人っすか?」


ティーダはまだ一度しかサーシャに会っていないため、顔もうろ覚えだった。


「うん。サーシャさんはね、キマリといっしょに私をここに連れてきてくれた人なの。キマリ、サーシャさんとはよく話しているよ。」


「へえ…」


「だから困ったときはサーシャさんを頼るのがいいかも」


ティーダはその答えに了解っす!なんて答えていたけど、実際はワッカの方が頼りにしやすいんだろうな。なんて思ったり。


「さあ、港に向かうぞ!」


ワッカの元気な声で一行は港に向かった。
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