第7章 ミヘン・セッション
目を覚ますと周りには誰もいなかった。
遠くの海の方を見るとまだ『シン』がいたので作戦は続行中だろう。
近くにだれかいないかと立ち上がり辺りを見回していると、叫び声が聞こえる。
「だ、だれか助けてくれ!」
叫び声がする方をみると、先ほど倒したばかりの『シンのこけら』と同じものが討伐隊を襲っているようだ。
こうもしていられない。すぐに助けに行かねばと魔物がいるところに走り出す。
「いま助ける…!」
手に持っているレイピアを力強く握りしめ、炎の魔力を流し込み一気に頭部と両腕を切り落とす。
「最後に…アルテマ!!」
最後に本体を威力が大きい魔法を使い一撃で『シンのこけら』を倒し、襲われていた討伐隊の方へ振り向き声をかける。
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます!助かりました!」
襲われていた討伐隊員の体を診ると怪我こそあるが命には別条がないみたいなので一安心する。
「早く安全なところに逃げなさい!今のでわかったでしょ?今の状況じゃ『シン』には勝てないんだって。」
「で、でも…」
「命を無駄にしないで!いまは生きることが最優先よ!!」
そう伝え終わった後、私はほかにもいるであろう『シンのこけら』を倒しに走り出した。
そこら中にいるので倒してもきりがないくらいだ。合間に怪我して動けない隊員を回復して安全なところに逃げるように指示をする。
「みんなはどこかしら…無事だとは思うけど」
さっきから色んな人に会っているが仲間とは一人も会えていないので心配になる。だけど今はみんななら大丈夫。そう信じるしかなかった。
次の場所へと向かおうと足を踏み出すと、ある声に引き留められてしまう。
「あれほどの魔力と剣術…実にすばらしい」