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【FF10】緋色のそばに

第6章 キノコ岩街道


2人ともビサイドで一緒の時を過ごした大事な人だ。
意味もなく命を落としてなんかほしくない。
でも彼ら自身がそれを望んでいるならば、その覚悟を第三者が否定する権利はないのだ。



「…シンを倒したい。この気持ちに嘘はありません。覚悟はとっくに出来てます」



そうはっきり目をみて話す彼を見て、彼はとっくに覚悟を決めてしまったのだと痛感する。



「そう、なら何も言わないわ…あ、そうだこれあげる」



そういって私が懐から取り出したのは淡い緑色をしたスフィア。



「それって…!」


「そう。みんなの協力で作り上げてやっと完成できた『お守りスフィア』よ!」



以前ユウナやルール―にはたくさん協力してもらったので、一緒に完成を喜んでくれる。ルッツやワッカにも試作品を何度か見せたことがあるので、知っているはずだ。
そのスフィアをルッツに手渡す。



「せめてもの私からのエールよ。」


「ありがとうございます…!でもいいんですかせっかくの完成品なのに」


「馬鹿ね。使ってもらわないと意味がないでしょ。もともとこういう意図で作ったものなんだから。」



ルッツはもらったスフィアを強く握りしめ、懐にしまった。



「すいません、時間なんで行きます…この分も頑張ります!」


「…死ぬんじゃねえぞ!!」



ワッカからの激励をもらってルッツは立ち去ってしまった。

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