第4章 ルカ
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目を覚ますと目に入り込んできたのは心配そうな顔でのぞき込むルール―とユウナだった。
2人の顔を見ると随分心配してくれたのだとわかる。
ユウナなんて少し涙目だ。
「サーシャさん!気が付いてよかったです…!」
「あれほど無理はしないでくださいと言ったじゃないですか!」
「ここは…?」
意識を失う前のことを思い出してみる。
確かスタジアムで魔物を倒していて…
そうだ、魔物を倒している最中に意識を失ったんだ。
「魔物は!?」
「…あの後、シーモア老師のご活躍で大きな被害はなくマイカ総老師もご無事。
それぐらいしか情報は周ってきていないですね」
ルール―は私の質問にそう答える。
私は自分が倒れた後に、魔物による被害がなかったことに安堵した。
それと同時に聞きたくない名前を耳にし、思わず瞼をふせてしまう。
「そう、シーモア老師が…」
「シーモア老師の召喚獣すごかったんですよ」
興奮気味で彼の召喚獣について語るユウナ。
_________私は彼が使う召喚獣をよく知っている。
彼女は…いまどんな思いで、彼といっしょにいるのだろうか。
「サーシャさん、魔法の使いすぎです。ここまでアーロンさんが運んでくれたんですよ?」
「すいません。俺とティーダが油断してて、魔物に襲われそうになったところを助けてもらったみたいで…」
ワッカが申し訳なさそうに謝る。
それを見て、意識を失う前のことを少しずつ思い出してきた。
そういえば気を失う前に彼と再会できて話もしたはずだ。
「アーロンは今どこに?」
「いまあいつと話をしに…あ!」