第3章 キーリカ寺院
キーリカの寺院でドナという召喚士と彼女のガードのバルテロに会った。
父親がブラスカ様という大召喚士のユウナを羨ましく思っているのか初対面なのに散々嫌味を言ってくる。
それにユウナはまったく動じずハキハキと答えた。
「ガードの人数は信頼できる人の数と同じです。自分の命を預けても安心だと思える人の数です。だから私にはこんなにガードがいてくれて幸せです」
ユウナのその言葉にぐうの音も出なくなったドナは「勝手にしなさいよっ」と捨て台詞を吐いて出ていってしまう。
「ユウナかっこいいわね~」
「そ、そんなサーシャさんからかわないでくださいよ~」
ユウナは顔を赤くしながら私の肩を叩く。
その様子をほかのみんなが微笑ましく眺めている。
この旅を始めてからユウナは確実に強くなっている。
もちろん力もだけれど、心が。
『シン』によって止まらない悲しみの連鎖が
彼女をさらに強くさせているのだろう。
「さ、祈り子様のところに向かいましょうか?」
「はい!」