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転生侯爵令嬢の溺愛物語

第4章 告白現場と口止め料


が、彼からは何の反応もない。恐る恐る顔を上げると、ほんの少しだけ、優しい眼差しを浮かべているシェラザード様の顔が見えた。

「あ、あの・・・?」

戸惑う私に向かい、更に近付いて来ては髪に触れ・・・また、口付けられた。私の話しを理解されなかったのだろうか?こんな所を見られたら・・・。

「まさか、私の為とはな。」
「えっ?」

見上げれば、綺麗なアメジストの瞳と視線がぶつかる。

「アメリアを見ていると、駆け引きをしているでも作為を抱く訳でもないのが明白。」
「それは・・・私が、頭が弱いと?駆け引きも作為も使えないと仰っているのですか?」
「そうではない。私をただ気遣うだけの者は、アメリアが初めてだ。」

はい?何か、思ってたのと違う。でも、頭が弱いとか馬鹿にされている訳ではないみたい?

「そう言えば、昼休みだったな。」

そうだった。早く食べなきゃ。

シェラザード様が、じっと私の鞄を見ている。目は口ほどにものを言う。まさに、その状況。

「ご、御一緒されますか?」
「あぁ。」

その返事一択なんですね?遠慮とか拒否とかはしないのですね。諦めた私は、ベンチに座りパンを渡す。

「昨日のお昼は、何か食べられましたか?」

気になって聞いてみた。が、シェラザード様は咀嚼中。咀嚼中に話すのがはしたないからか、それとも元々話す気もないのか分からない。仕方ないので、私も咀嚼する。

「今日のスープは?」
「たまごスープです。」

って、何で確認?チラッと見上げると、食べ終わったシェラザード様が私を見ていた。更に、手が出てる。これはあれですか?出せと?

泣く泣く水筒を渡せば、彼の喉を流れて行く私のスープ。

そして、そんな姿も麗しいし色っぽい。

「ハァッ・・・美味い。」

そんな吐息止めて下さい。つい、見ちゃいますから。その色っぽさに釘付けになっちゃいますから。

水筒が返され、更にパンを催促する手。私はもう一個、彼の手にパンを乗せる。

「んっ・・・このソーセージ、レモンと香草の味がする。」
「私の力作です。そして、おススメです。」
「あぁ、確かにこれはいい。それと、さっきの質問だが。飲み物だけしか口にしていない。」

あ、答えてくれた。

「ちなみに、ダイエットではないからな?」

そんなの分かってますって!!

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