第11章 二度目の新婚旅行、の巻
「えっ…?」
(あ、そうか…)
男の胸にクッションが無いのは当たり前の事で
そうじゃ無いって言ってる時点で、「クッションがあるものにスリスリした事があります」って言ってる様なもんだ
(ま〜、何て言うか…
甘えてスリスリは確かにしたコト無いけど、違った場面でスリスリはしたコトあるもんな(汗))
俺は智くんの顔を伺いながら謝った
「…智くん、ゴメン」
「良よ、謝らないで……解ってるから」
ふんわりと笑う智くんは、やっぱり何処か悲しげだ
(あぁ、もぅ!俺のバカバカバカっ!!)
こんなコトでまた智くんを悲しませたりして、最悪じゃん!!
ちゃんと学習した筈なのにっ!!!(←笑)
「…ねぇ、自分を責めたりしないでね?」
「……え?」
智くんはちょっと哀愁の漂う微笑みのままで言った
「翔くんが女の人と昔付き合ってたコトは、初めから解ってる事だから、良いんだよ?
翔くんだって、僕が潤くんのコト話すの許してくれたでしょ?」
「でも、ソレとコレとは…」
「同じだよ」
智くんの綺麗な指が、俺の髪を弄んでいる
相変わらずの微笑みを湛えたままで、智くんが呟く様に言う
「…大丈夫、僕、強くなったから」
「……」
(強くなった、か…)
俺は、俺の髪を弄る智くんの指を捕まえた