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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第39章 Trick but Treat※《宇髄天元》




宇髄先生から宇髄さんに呼び方が変わったのは、卒業してすぐだった。好きになったのは先生で、しかも学校一のモテ男ときたものだ。実ることなんて到底無理な初恋を、なぜか宇髄さんは拾い上げて、それはもう大切にしてくれた。
なんで。どうして。どうしてこんなわたしと、と何度も聞いているが、100年前からわたしのことが好きらしい。
脳みそ爆発してるんだろうか。

年上で元先生だから、どこかわたしは宇髄さんの後ろを追いかけるような、そして宇髄さんの言うことに、割と流されてしまうのだ。

卒業と同時に同棲を始めて、
初めて一緒に迎える宇髄さんの誕生日はハロウィンで、
甘いものが苦手だからケーキは用意しなくて良い、と事前に言われた。
そうですよね、と手作りのケーキをネットで検索していたが準備は不要だったーーーが、
帰ってくるなり『トリックアトリート!』と嬉しそうに言うものだから、お菓子?!お菓子なんてないですけど?!と返したらニヤニヤしながら言われた。
『なら悪戯しても文句は言えねえな』と。
だ、騙された!!
ハロウィンだからと言って、もう卒業したのに鬼滅学園の制服を着させられて、散々な目にあったのだ。
思い出すと今でも顔から火が出そうなほど。
ようやく宇髄さんと呼ぶのにも慣れたのに、最中に宇髄先生って言ってと懇願されて、波奈は結局宇髄さんの言いなりになってしまったのだ。
あんなに手の届かなかった、クールでカッコいい宇髄先生のイメージは、ガタガタと崩れ落ちてしまったけど。それでも。
元先生で年上だから、言われたことは従ってしまうのだ。


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