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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第26章 寝不足の彼女※ 【宇髄天元】


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沢田波奈はそろそろバイトに行くと言って職員室を後にした。
三限目終了のチャイムが鳴り響いて、しばらくしてから宇髄が授業を終え職員室に戻ってくる。
机のお弁当を見て、なぜ波奈が来たなら自分を呼んでくれなかったのかとたいそう文句を言われたが、授業してたから無理だろーがと言うと校内放送をしろと言われた。知らんわ。

「あ〜〜波奈に会いたかったわ」

「はいはい黙って食え」

それはそれは幸せそうにお弁当を頬張る宇髄を、横目でチラリと見て呆れた。ニコニコ笑う宇髄天元は、ホントに有頂天で、それが少し心配になるのだ。

胡蝶先生が指摘したように、耳下のキスマークと、沢田波奈の寝不足そうな疲れているような顔で、宇髄に気を使って無理をしているのではと思ってしまう。
と言うのも、宇髄天元という男は学生時代から極めて女関係に関しては素行が悪かった。あの派手な見た目で周りの女はほっとかない。それをいいことに宇髄は特定の彼女を作らず、好き勝手にセフレを作り、セフレ同士修羅場もあり、相当面倒な事案をすり抜けてきた男である。

『本命の彼女作んないって言ったし俺は悪くねぇ』
『面倒だからもう切る』
『遊びだから』

学生の頃の宇髄は、どこか妙に世の中を冷めていて、諦めていたように思う。
こんな酷い発言をしまくるのに、宇髄を取り巻く女は絶えない。

「面倒なことになるからんなこと辞めればいいじゃねェか」

女関係でいざこざがある度に、煉獄や俺はそう言うが、

『だって溜まるものは溜まる』

らしい。いや性欲どうなってんの。

そういえば、前世を思い返しても、宇髄家のしきたりとやらで嫁が三人居たが、宇髄の子どもは9人…いや10人だったか?
最初こそ祝いをして名前を覚えては居たが、最後の方は誰が誰で誰が母親か訳分からんようになっていた。

俺は思う。宇髄天元は性欲が人よりも強い。
それを沢田波奈1人が相手してんだからそらまあ疲れるか。

沢田波奈は気の毒ではあるが、仕方ない。
これは2人の問題であり、決して介入してはいけない、というか面倒臭い。

だから胡蝶先生は、波奈に、
『言いたいことはきちんと』と言ったのだ、と思った。



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