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満月の夜に【鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 宇髄天元 R18】

第10章 ふたりの朝日※《宇髄天元》


そうだ。
ここは蝶屋敷。

1ヶ月半前の任務司令前に、
蝶屋敷に寝泊まりしている波奈の元へ忍び込み、迫っていた。…が、運悪く胡蝶しのぶに捕まった。

半殺しにされるかと思うほど詰められ、ここを出禁にするとまで言われた。

そんなことがあったことを鮮明に思い出し、
宇髄は顔をサーーと青くした。

「……わーったよ。ここではなんもしねーよ」

ハーーとため息をついて、波奈の言うことを受け入れた。
波奈はパッと明るくなり、

「ではわたし、いきますね!」と快活に言い、後ろを振り向く。

その手首をガシっと掴んだ。

「…宇髄さん?」

「…任務が終わったから明日から数日休みだ。
明日、お前と出かけたい」

波奈の手首を掴んだ手は熱がこもっている。
宇髄は波奈をじっと見つめた。

「…一泊で」

「……え」

波奈はカーーーと首まで赤くさせて、押し黙った。

「……」

「……」


波奈は真っ赤な顔で宇髄を見上げる。
この反応は、きっと彼女は俺の意図をわかっている。


「………み、みなさんと一緒なら良いですよ…」

波奈は宇髄から目を逸らして、うつむき、小さく消えそうな声で言った。

宇髄はそうきたかと思い、次の一手を考えていると、

「波奈さまー!どこですかー!急患です〜!!」

という声が遠くから聞こえた。


波奈は宇髄の手首をパッと振り、
「あれ?!誰か呼んでますね!!では!」と言って逃げるように去っていった。



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