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Time to Time ーAS・Lー

第15章 お尋ね者


所変わって湖のある場所にいたエースと女は、突然の砲撃音に身を固くした。

救助だとしたら、砲撃などしないはずだ。明らかに無人島であるここを砲撃するとは、ここに誰かがいることを知っていて、その人物を追っている、ということだろう。

一気に警戒心を強めるエースは、目の前で顔を真っ青にし、その肩を震わせる女に気づく。

「・・・まさか、お前の追手か?」

そう聞くエースの言葉に、女は答えず持ってきていたのであろうワンピース一枚を羽織り、砲撃音のする方へと走り出した。

「おい!待て!お前が行くのは危ねぇ!!とまれ!!」

そう言い掛けて行く女を追うエースは、この走りづらい森の中をスイスイと走り抜ける女に、感心する。明らかに森を走り慣れてやがる。

・・・まぁ、あいつの過去を考えれば、当たり前なのかもしれない。

やりきれない思いを胸に、エースは今しがた到着したばかりであろう島の新たな訪問者を予想づける。

もし、俺の考えてる通りの奴らが来ていたとして、そいつらがこの女を狙っているとするなら、俺は、どう動くべきだ。俺1人なら、あの女に加勢する。
が、今は親父のマークを背負う人間だ。簡単に喧嘩を売れる相手ではない。

けど、とエースはそこまで考えてある一通の手紙を思い出す。

・・・・そうだよな、サボ。俺たちは、自由だ。サボ、お前を殺した奴らを、俺は許せねぇ。
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