第30章 歓迎会
「いいかぃ?オヤジの船には1600人ほど乗っていて、16人の隊長たちがそれぞれの隊を仕切っている。エースは2番隊、サッチは4番隊、ビスタは5番隊、ハルタは12番隊、イゾウは16番隊、ジョズは3番隊、俺は1番隊って感じでな。
各隊色々役割はあるが、全員がこの船に乗ってるわけじゃねぇ。オヤジにはたくさんの傘下がいて、全世界に散らばってる!その巨大な海賊団をまとめてるのが、オヤジだよぃ」
途中から楽しそうに話すマルコに、ユキは微笑む。みんな、この海賊団が、白ひげさんが大好きなんだと伝わってくる。
本当に家族のような温かい海賊団だな、と思いながら色んな人から色んな話を聞き、楽しく過ごしていた。
「・・・グラララ、楽しそうだな、ユキ」
「!白ひげさんっ!」
いつの間にか輪になって話し込んでいたところに、白ひげがどすり、とユキの後ろに座った。
それだけでユキの体は浮くもので、少しびっくりしながらも笑う。
「おいおい、うちの船に乗るもんに、そんな敬称で呼ばれたかねぇなあ」
「・・・・えっと、じゃあ、ニューゲートさん?いや、エドワードさん?」
真剣に悩み出すユキに、グラララララと笑う白ひげは、その小さな体を膝の上に乗せてやる。
「他人行儀な呼び方はやめろォ、この船に乗る者は皆家族」
その視線が、なんと呼んで欲しいのか物語っていて、その名を呼んだことのないユキは少し気恥ずかしげに呼ぶ。
「・・・・・お、オヤジ、さん」
「グラララララ、末娘に__」
「「「「「かんぱーーーーい!!!!!」」」」」
いつの間にかその様子を見守っていたクルーたちが、声を合わせてまた乾杯の音頭を揚げた。