• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第15章 相愛




それからの時間は、リヴァイ兵士長の指示で立体機動の訓練に参加した。壁外調査での負傷者や死者により、ずいぶんとがらんとした印象の訓練場は、見るに悲しかった。



「ナナ!もうすっかり立体機動も使いこなしてるね!」



後ろからナナバさんが声をかけてくれる。



「ナナバさん!」



飛び回る私に容易に私に追いついたナナバさんは、いつも通りのさわやかで涼やかな目で私を見た。



「今回の壁外調査はお留守番だったみたいだけど、次はもう行けそう?」

「はい!」



私とナナバさんが話していると、ミケさんもやってきた。



「ナナ。」

「ミケさん!お疲れさまです!」



壁外調査でも、負傷者名簿に彼らの名前は無かった。さすが指折りの実力者と言われている人たちだ。それほどの強さをもってしても、訓練に余念なく取り組む姿は新兵の憧れの的だ。



「あれ、珍しいね。はは、リヴァイの真似かい?可愛いね。」



ナナバさんが私のクラバットを指先でさらりと風になびかせた。すると、ミケさんの鼻がスンっと鳴る。



「ナナ―――――――――――!来て!怪我人が出た!」

「あっ……はい!!ミケ分隊長、ナナバさん、失礼します!」



二人に一礼をし、遠くから聞こえた声の方に、私は飛んだ。



「………………。」

「どうした?ミケ。」

「………ナナから、リヴァイの匂いがする。」

「…………ふーん……。やっぱりじゃないか。なにが、“空への憧れだ”だよ。」



ナナバはにやり、としてやったり顔で笑った。



「………いいじゃないか。あいつの匂いも、ナナが来てから……変わった。」



ふたりはふふっと笑みを交わした。


/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp