• テキストサイズ

【進撃の巨人】片翼のきみと

第14章 疎通 ※




リヴァイ兵士長の言葉を聞いて、彼は自分の中のアルルを思い返すように瞳に涙を浮かべた。



「アルルはっ…………出立前日も、ご両親を……自分が守るのだと……話して、くれました………っ。私も………彼女にたくさん救われて………っ………。強く、優しい彼女のことを、私も……っ………一生忘れませんっ………!」



彼は遺品に目線を落とすと、蹲って大きな声で嗚咽をあげた。その肩をさすろうとした私の手をリヴァイ兵士長が止め、行くぞ、と顎で出口を差した。

私たちができることは、これ以上何もないんだ。

泣き叫ぶその人に私は深く深くお辞儀をして、あとからあとから流れ落ちる涙を拭いながら足早に避難所を出た。





すっかり日は暮れ、曇天だった空からはとめどなく雨が降り注いでいた。



「ちっ…………降ってきやがったか………。」

「…………。」

「雨脚が強くなる。……止みそうにはねぇな……。ナナ、宿を探すぞ。」

「………はい………。」

/ 3820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp