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取り敢えずケーキが食べたいです【東卍夢(梵天)】

第2章 私は春ちゃんのものです(白目)


「おーい、栞ー帰ったぞぉーー…あ゙っ?」

きっと玄関に置いてある革靴や、鍵が開いている事で全てを悟ったらしい春ちゃんはドタドタと凄い音を響かせながら、リビングのドアをバンッ!と勢い良くこじ開けた。

「よぉ、三途ぅ…邪魔してるぜぇ♡」
「女の子がいるなら俺らにも教えろよな、裏切り者は死体だろ?」
「なんでテメェ等が家にいて寛いでんだよ!栞も一々こんな奴等をもてなさなくてもいいからな!?ーー…いや、それよりもお前、玄関のドア開いてたんだけど?なぁ、俺の事裏切って外に出ようと思ってたのか?前にも言ったけど、外に出た所で男共にレイプされて殺されるのがオチだって言わなかった?なぁ…その事ちゃんと理解してんのかよ」

マグカップへと珈琲を注ぎ入れてソファーにて寛ぐお兄さん達に手渡す。蘭さんは「ありがとうね栞♡」とニコニコ笑い受け取ってくれて、竜胆さんは「あぁ、悪い」と少し申し訳なさげに受け取ってくれた。その様子に春ちゃんはまた切れたが、直ぐに捲し立てる声で詰め寄られ翡翠色の瞳がじっと無表情で私を見下していた。

「いや…待って?そもそも…私開けてない」
「あぁ~それ俺が勝手に開けた♡」
「あ゙っ?」
「だって気になるだろ?最近お前薬やってねぇし、甘い物とか食わねぇ癖に買って帰るとかさぁ…そもそもセーフハウスの一つに入り浸るとか、逆に隠す気あんのかよ」

間延びした声で平然と言った蘭さんに対して、えっ?つまり合鍵を勝手に作ってここに入って来たのだろうか?なにそれ怖い…そう言うのが当たり前の世界なの?という何とも言えない顔をしていたのがバレてしまったのか、竜胆さんは首を左右に振る。

「栞、何か勘違いしてる見たいだけど俺らも別に好きで三途の合鍵作った訳じゃねぇからな」
「えっ?」
「コイツつい最近までヤク中だったんだよ。で、薬が切れたら基本どこでも勝手に寝ちまうから連絡取れねぇとかザラでさ、首領直々に合鍵作れってなったの。そしたら誰かしら三途の部屋に送れるだろうってさ」
「な、なるほど…えっ?春ちゃんって、薬やってたの?」
「はっ?寧ろ知らなかったわけ?あぁ~…栞の前まではいい子の春ちゃんだった感じかぁ♡」
「うわぁ…健気ぇ♡」
「お前等マジで帰れよ、死体にすんぞ」
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