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【HP】怪鳥の子

第5章 組分け帽子



 巨大な樫の木の扉がパッと開くと、エメラルド色のローブを着た、背の高い黒上の女性が立っていた。ミラはその女性がすぐにマクゴナガル先生だとわかり、キラキラした目で見つめた。
逆にハリーは、とても厳格そうな顔つきに、この女性には逆らってはいけないと直感で感じていた。

 ハグリッドからマクゴナガル先生へ生徒を預けると、玄関ホールに歩き出したマクゴナガル先生へ皆がついていった。ハリーとミラはハグリッドに小さく手を振り、自分たちも遅れまいと列に戻った。

 玄関ホールはとても大きく、ハリーとミラはダーズリーの家や孤児院が丸々入りそうな大きさだった。天井はどこまでも高く、どんなに目を細めてもその奥が見えることはなかった。

 しばらくマクゴナガル先生に従って歩いていると、何百人もの声がかすかに聞こえだし、おそらく自分たち以外の上級生がすでに待っているのだと気が付いた。
そのままホールへ行くのかと思うと、マクゴナガル先生はホールの横にある小さな部屋に1年生を案内した。部屋は窮屈で、1年生たちが不安そうにキョロキョロと視線をあちこちに回していた。


「ホグワーツへようこそ」

 マクゴナガル先生が挨拶をすると、生徒たちはあちこちに回していた視線を、マクゴナガル先生に向けた。

「新入生の歓迎会が間もなくはじまりますが、大広間の席に着く前に、皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。寮の組分けはとても大事な儀式です。 ホグワーツに居るあいだ、寮生が学校での皆さんの家族のようなものです」

 ハリーとミラは一瞬顔を見合わせた。二人はまさか同時にお互いを見るとは思っておらず、クスリと小さく笑った。家族に縁遠い二人に、マクゴナガル先生の言ったことがくすぐったく感じたのだ。

 マクゴナガル先生は4つ寮のこと、学年末には最高得点の寮には大変名誉ある寮杯が得られる事を伝えた。
 そして組分けがすぐに行われる事と身なりを整えるよう言うと、マクゴナガル先生は部屋を出て行った。ミラは慌てて自分の前髪を手櫛で整え、絡まっている後ろのロングヘアーもなんとかしようと、腕につけていたヘアゴムで、下の方に結んだ。あまり大事にしてこなかった髪は、ミラの手櫛では簡単に直らず、指に引っかかって顔を顰めた。
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