第21章 【第二十訓】『えいりあんVS侍の圖』の話
「銀さ――」
「あ。これカメラ? これカメラ?」
○○を突き落とした側と反対側にカメラを見つけた銀時は指をさした。
「映画えいりあんVSやくざ。絶賛上映中。見にきてネ」
こんな状況下でも長谷川の依頼『映画の宣伝』をこなし、銀時はえいりあんに向かって定春を走らせた。
「銀さん!」
○○は立ち上がった。
肥大化するえいりあん。
「いくぜェェェ!!」
声を張り上げ、銀時はえいりあんに突進する。
「銀さァァァん!!」
勇ましく立ち向かう銀時の背中に、○○の声が飛ぶ。
その言葉尻も消えぬ間に、銀時はえいりあんの口へと吸い込まれた。
表情を凍らせる真選組の面々と○○。
「散々カッコつけて呑まれちゃったよ、オイぃぃ!」
銀時は定春ごと、えいりあんに呑み込まれ、姿が見えなくなった。
全く食い止めることが出来ず、えいりあんはそのまま○○達の所まで迫ろうとしていた。
「上等だァァ! コルァァ!」
○○の安全を考え、一人でえいりあんに向かった銀時。
その姿にヒーローの如き姿を見出し、自らはヒロインのように彼の名を叫んだ。
呆気ない幕切れに、それは単なる笑劇と化した。
「○○! 危ないから! 離れるぞ!」
えいりあんに向かって走り出さんとする○○を、近藤は背後から羽交い絞めにする。
○○はパトカーに押し込まれた。扉が閉められたのを確認すると、原田は車を急発進させた。
「かかって来いやァァ! えいりあァァァァん!」
○○の声は車内に響き渡って木霊する。