第7章 Slowly but surely~After that~
「いい子じゃん、ちゃん。大事にしてやれよ。」
「だからそういうんじゃねえんだって。」
さんのアパートからの帰り道、コンビニで缶ビールを1本ずつ買って公園に立ち寄った。
ブランコに並んで腰掛ける。使い古された金具がキィ、と鳴いた。
「でもちゃんのこと特別だとは思ってるだろ。」
「そりゃあまあ…。」
「オレはさあ、今更言ったってどうにもなんねえけど。後悔してんだ、エマのこと。だからオマエには同じ思いをして欲しくないっていうか…余計なお世話だろうけどさ。」
2人の間に沈黙が落ちる。
ドラケンはオレの知る限り、あれから彼女を作っていない。
ハッキリと本人から聞いたことは無いが、多分、そういうことなんだと思う。
「そう…だよな、悪ぃなドラケン。気使わせて。」
「気にすんなって、双龍の仲だろ?」
コツンと右のこめかみにビールの缶が当てられる。ドラケンの手で幾分かぬるくなったそれでも、オレに発破をかけるには十分だったらしい。
残ったビールをぐいと煽って公園のゴミ箱に投げ入れる。カランと派手な金属音が深夜の住宅街に響いた。
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Slowly but surely~After that~/少しづつ、確実に~その後~