第5章 涙で気づく運命*青峰大輝
「いいかげん俺と付き合え」
「ごめんなさい。無理です。」
「お前…いい加減にしろよ!?」
「あなたこそ、いい加減にして下さい。」
「とにかく!俺と付き合え!」
「だから、無理です。割とガチめに。
もう授業が始まります。
教室にもどって下さい。」
「…チッ。」
こんな会話は約2週間
くらい続いている。
隣のクラスの青峰大輝は
私に付き合えと言ってくる。
これは、からかわれてるに違いない。
あの青峰大輝だ。
彼女をとっかえひっかえして
いつも女を連れていたような人が
話したこともない私と
本気で付き合おうなんて思わない。
男の人に貢げるほどの金持ちでもない。
男の人をとっかえひっかえするほど
恋愛などになれていない。
何を考えているのだろう…。
━授業終了後━
次、理科室だよね…
「!一緒に行こ!」
「あ、うん!」
「大輝、それ本当ーっ?」
「マジだって!」
青峰大輝…。
会いたくないな…。
私はそこを無視して
通り過ぎようとした。
「おい!!」
バレた。
「おい、シカトすんな!」
「…なんですか…」
「俺と付き合う気になったか?」
「なってません。」
「俺と付き合えって!」
なんて暴君なんだ…。
自分勝手過ぎる…。
「私は、あなたと付き合う気は
まったく絶対ありません。」
「…分かったよ…。」
よかった…。分かってくれた…。
「来週の土曜日。俺とデートしろ。
そしたらもう何も言わねーよ。」
デート…。
けど、それで最後…。
「わかりました。
来週の土曜日ですね。」
「じゃ…駅前の本屋に10時集合な」
こうして、青峰とデートの約束をした。