第13章 英雄ぶるのも大概に
●天 side● 〜体育館〜
天は驚きで息を呑んだ。同時に足が自然と歩みを止める。
天に向けられたと思われる「ただのヘタレ」という侮辱。その声は…
「ちょっと火神くん!そんな言い方…
藤堂さんに失礼でしょ!!」
火神のものに違いなかった。それを証明するかのように、背後で火神を叱責するリコの声が響く。
「だってよ、カントクが
どうしても連れて来いって言うから、
相当すげぇーヤツがいると思って
オレ割と期待してたんだぜ?」
「確かに、連れて来てとは言ったけど…
藤堂さんが決めたことに、私たちが
口出しして良いわけないでしょ!」
火神の礼儀を欠いた態度に、リコや部員たちは驚きを隠せなかった。これ以上そんな行為をさせないために、リコは火神を咎める。
そしてそれは、黒子も例外ではなかった。
「火神くん、藤堂さんに謝ってください」
「うわっ!…って、なんだよテメェまで。
てか、言わないだけで
正直みんな思ってるだろ?」
そう言いながら火神は、他の部員の同意を得るかの如く周囲を見まわした。火神の目に見下ろされたバスケ部員たちは、何も言い返せず萎縮するだけだった。