第8章 彼等は
「起きてましたか、それは失礼」
わざとらしくクスクス笑う金髪の男をゾロは見た
「朝ですよ? …もう昼に近いですけどね、トペトピも丁度良い涼しさで寝てしまってます」
壁に寄りかかりながら眠るトペトピの頭を金髪の男は撫でた
「お前、俺が"失敗作"とか言ったよな?」
ゾロの問いかけに金髪の男はぴくりっと反応した
「俺は一体、何の"失敗作"なんだ?」
「…"守護"ですよ?」
「…"守護"? 何だそれは?」
「赤月の子を守る守護です。 守護は二人居り、背中合わせで守るのです」
「…なら、お前はその一人とでも言いたいのか?」
「そうです。 守護ははるか昔から記憶を引き継ぎ、守る役割を思い出すのです」
金髪の男はかちゃりっと拳銃を取り出した
「貴方は思いませんでしたか? 自分が何故、"この島に訪れたのか"を?」
「…俺は旅をしていた。 だからそんなの偶然…」
「偶然ではありません、必然ですよ? 貴方がこの島に訪れる事は前から"決まっていた"のです」
「だが俺は昔の記憶を引き継いじゃいねぇ、それも"決まっていた"事なのか?」
「貴方が記憶を引き継ぐのは"決まっていた"」