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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第11章 紅の出張


坂を少し下ってメイン通りから少し小道に入った所に、オレの行きたい甘味処がある
零は右手の雑誌の地図を確認しながら歩き、風見はあちこち並ぶ店で真新しい物を見つけては左手で指を差して教えてくれた
オレはというと、そんな2人に両手を取られ真ん中に挟まれながら歩いているわけなんだけど……歩き始めこそなんだかちょっぴり嬉しくて、どっちがパパでママなのかなーとか考えて面白がったが、両手が塞がれているというのは中身が大人なオレには不自由で、これはとらわれた宇宙人のあの姿と同じなんじゃないかって思えてきた
でもさっきの事件があった事で2人は繋いだ手を離してくれそうにないし、トホホと思いながらもその手に両手引かれながら歩くのだった

「地図だとここの小道を入って少し歩いた所にあるみたいだ」

零の言葉通り小道に曲がり少し歩くと、先に着いていた部下が店の前で片手を振って待っていた
席を抑えといたと言う部下に上司より先に動くだなんて流石だなと思いながら駆け寄り、繋いでいた両手を離してもらって部下にお礼を言う

「さっきは助けてくれてありがとう!」

そう言うと部下2人は嬉しそうな顔をしたのに、すぐに真剣な表情に変えてオレに目線を合わせて腰を屈めた

「当然の事なのでお礼は不要ですよ」
「それよりもリュウさん我々を撒くの上手すぎです!」

部下を含め私服警官達に気付かれない様に迷子のフリをしたことを言ってるんだろうな

「気付いたら高校生に囲まれてるし、やっと見つけたと思ったら女性の悲鳴に駆け出すし…」
「終いには犯人の気を引いて人質になってるとか、勘弁してください」

心配しましたと言う部下はオレが零と二手に分かれた際にオレの方の様子を見る役で、オレが人質になっていた時には既に後ろにスタンバっていたらしい
犯人確保のタイミングを見計らっている所に零が現場に風見と到着するのが見え、指示をもらって動いていたそうだ

「あ、でも犯人を確保した時の2人は迫力満点だったと思うよ!犯人もすごく怖がってたし!本当にありがとう!」

ニコッと笑顔を向ければまたにへらっと顔を緩ませる部下
こんなんで大丈夫かと隣りを見れば、

「降谷さんここのパフェどれも美味しそうです!」

パフェのサンプルに目を輝かせている風見がいて、零と目と目を合わせて溜め息をついてしまった

これでよく公安が務まるよ…

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