• テキストサイズ

星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第11章 紅の出張


観光も要人役も頑張ろうとは意気込んでいたものの、実際に当日を迎えてしまうと気が張ってしまう
と言っても周りの警護役はオレよりももっと気が気じゃなくて、緊張感に潰されそうになりながら参加している者が殆どだろうな…オレもそっち側だったら凄く嫌だし…

そう思いながら窓の外の富士山を見送ると、ふと窓に風見や部下の顔が反射して映った
風見はともかく、部下2人は大丈夫かなぁなんて心配してチラリと通路の向こうを覗いてみる

「風見さん、天使の英語ヤバいですね…なんか萌えます」
「やっぱりあっちから来たんだなって改めて思いますね…」

コソコソと話しているがなんとなく読唇術でわかってしまいジト目で見てしまう
そういえば今日の風見班は評価される側でなく評価する側だから少し気が楽なのかもしれない
天使だなんだって言ってるウチは心配してやらなくても大丈夫そうだな……あ、風見に小突かれてる

そしてそんな2人と同じタイミングでなんとオレの頬にも人差し指が突撃してきた
もちろん指の主は隣りに座る零なんだけど、ちゃんと座ってろってことかと思って背もたれに背中を戻すと、コソッと耳元に近付いてきた

「周りのことは僕が見てるから、叶音は楽しむ事に集中していいんだよ」

そういや出発前に言われていた
今の姿になってから自由に遠くに連れ出すことが出来なくなったから、せめて訓練の日だけでも色々忘れて楽しんで欲しいって
周りは警官だらけだし、零も側にいるし、組織は別件で動いているから問題ないって
オレだけ楽しいのは嫌だって言ったけど、零も零で楽しむから気にしないでいいって

「何も気にせず楽しむことが僕達の役割なんだからね」

そっか……あまりアレコレ気にし過ぎると逆に零に気を遣わせてしまうみたいだから、ここまできたらやっぱり全力で楽しもう…!

「Today is the best day!daddy,Ilove you!」

「「「「……!!!」」」」

嬉しさ全開でギューッと零の腕に抱きついた……までは良かったんだけど、抱きついてすぐに気付いた
オレ達のことを親子だと思っている人達はなんの反応もなかったけど、零と風見は叶音として、部下2人はリュウとしてオレを見てるんだ、顔を赤くして固まっている…

やば…ちょっとはしゃぎすぎちゃったかも……恥ずかし…

/ 344ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp