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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第11章 紅の出張


「零とオレで…」

要人役をするだなんてそんなこと、零が引き受けると思わないんだけど…承諾したから伝えに来たんだよね…?
未だ肩口に頭を乗せて動かないでいる零に顔を向けると、金色の柔らかな髪が頬に当たる

「記載通り警備訓練は朝の新幹線移動から始まり、先方が希望している観光地までです。他の者はその後も色々ありますが、お二人はフリーとなっています。その日は旅館に一泊し翌日の昼の新幹線で帰庁予定です」

一泊二日の出張……ってか要人役って言ったら素で楽しんだ方がよりリアル…ってことはこの案件は実質旅行じゃないか!?

「要は朝から観光を楽しんでいいってこと?」
「ま、まぁ警官に囲まれながらですが…」

「凄いだろ?京都旅行に行きたいと叶音が言っていた事を伝えたら、風見がこんな仕事を持ち帰ってきたんだ」

そう言いながら頭だけ動かした零がこっちを向くから、目と目が近くて慌てて反対側を向く
そして向いた先では風見がドヤ顔でいるから、なんだかおかしくなってきた

「零と一緒に仕事しつつ旅行もできて、京都に行けるよって、オレを驚かせようとしてたんだね?」
「叶音の喜ぶ顔が見たくてね…」
「降谷さんが徹夜続きなのも、この計画を立てる為だったんです。許可が下りるまでリュウさんには絶対内緒だって」

資料の続きをパラパラと捲ると、なかなか細かい計画が記されていた
ポアロへも行き、組織関係も進めつつ、この量の計画…それを思えば寝ずの業務も頷ける

「本当は有給使って行ってきて欲しいのですが、暫く難しそうなのでせめてと思いまして」
「驚いてくれたかな?」

驚いたも何も、ざっと見た零の計画は普通に旅行の行程表だ
コナンの修学旅行の話を聞いてオレ達もいつかって思っていたけど、こんなにも早く旅行に行けるだなんて思いもしなかった
例えこれが仕事の一貫だとしても役得なポジションすぎるでしょ…!

「…うん!すっごく嬉しい!」

でも勿体ぶってないで早く教えて欲しかったと頬を膨らませれば、風見もそれに乗っかってさっきの文句を零に飛ばしている

「二人とも、ホント言うようになったな…」
「「それほどでも~」」

溜息をついてまたオレの肩に顔を埋めた零
頭をそっと撫でてあげると、スゥーと寝息が聞こえてきた



え、ちょ、やっぱりこの体勢のまま仮眠取るのっ!?


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