第31章 Smile Bouquet
リアム
「おわっ」
ルシアン
「リアム、下がれ!」
リアム
「はい!」
レティシア
「行くぞ、ノア!」
ノア
「任せて!」
2人は同時に走り出すと猪のような大型魔獣の牙を踏み台にして頭へ飛び乗り、ノアが注射を打ち込むと猪魔獣は大人しくなった。
2人が地面に戻ると息を吐き出す
ノア
「はー、今日も疲れた」
レティシア
「だな」
ルシアン
「最近じゃ、人を捕まえる方にも借り出されるから忙しいな」
リアム
「けど、俺は嬉しいっす!」
レティシア
「そうか、元々リアムは人を捕まえたかったんだもんな」
ルシアン
「レティシアに憧れてな」
レティシア
「そこは良いだろ」
ノア
「姫さん!オレだって姫さんに憧れてこっち来たんだよ!」
レティシア
「だーもう、分かったから!」
オリヴィア
『さっさと帰ってきなさいよ、もう』
すぐに騒ぎ出す4人にオリヴィアの呆れた声が届く。
レティシア
「ユリス…ありがとな」
特別室に戻る前にレティシアはユリスがいた牢へとやってくる。
レティシア
「あの時ユリスの助けもあって…エドゥアルを捕まえる事が出来た。…今日はこれだ」
しゃがんでいたレティシアが立ち上がると、その脚元には特別室メンバーやメディ、ポルデ…ジルヴァ…沢山の仲間が笑顔で写った写真が束になって置かれていた
その中には、あの日…撮ったユリスとレティシア、ジルヴァの家族写真も混ざっていた
写真の束はまるで笑顔の花束で…。
これからも続く日常は完璧に平和とは言えないが、平和へと向かっていく為に…誰かの幸せを守る為に彼等は奮闘する
Smile Bouquetがもっともっと…豊かになるように
愛する人達と共に─…
リアム
「レティシア、行くぞ!」
レティシア
「嗚呼!」
日常が変わらず送れるよう…覚悟を持って今日も走る
─ Fin ─