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Smile Bouquet

第23章 食い違いの悲劇




高価品を身に纏った婦人
「待って…嫌!」

「えへへ…やめねぇです」

高価品を身に纏った婦人
「な、何なのよ…っ…私が何したって言うの…!」

「テメェさんはしてねぇかもだけど…種類は一緒です」

高価品を身に纏った婦人
「嫌っ……あぁっ!」

「アハハ!痛てぇですか?」


甘ったるくも狂気的な声が全てを飲み込む様な夜という闇に響き渡っていた─…






レティシア
「……酷いな…」

リアム
「……っ…これは」


通報を受けて現場に訪れたレティシアとリアムは目の前の悲惨な光景に顔を歪める。

煉瓦の地面に広がる夥しい量の血液の中心には辛うじて認識できる顔も苦しげに歪んでいる。
両手首は切断され腹部は見るに堪えない程に抉られていた。

そんな凄惨な光景を初めて目の当たりにしたリアムは吐き気を催していた。青い顔をしているリアムを横目で確認したレティシアは彼に声を掛ける。


レティシア
「リアム、大丈夫か?」

リアム
「え?…あぁ、大丈夫」


今日はルシアンもノアも他任務だったため通報で酷い状態であるのは理解していたが、リアムが行けると言ったため連れて来た。


レティシア
「はぁ…またあいつらの仕業か」


腕を組みながら遺体を観察し、視線を滑らせていたレティシアがある物を見付けると溜息と共に言葉を吐き出す。
リアムは片手で口を覆いながらレティシアを見て


リアム
「あいつらって…」

レティシア
「真夜中の狂団だ」


レティシアはしゃがむと溜息の原因となった遺体の上に置いてある紙を拾い上げる。
そこには【我々は平等を望む。金持ちは我々を虐げる】と記されていた。これはここ3年で何人もの富裕層が今回の様な酷い姿で亡くなった傍らに添えてある言葉。
その為、全てが同一人物の犯行と判断され…そして、我々と述べている事から複数犯である事と深夜に行われていると予想し【真夜中の狂団】といつしか呼ばれていた。


元々、レティシアたち特別室はこの事件には関わっていなかった。
だが、3年もの間…同一人物である事しか分かっていない事実に嘆いたメディが特別室へと事件を任せる事にしたのだ



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