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ハリー・ポッターと魂の探究者

第5章 【毎年恒例】


「なにそれ?」
「さあ?」

 恐らく差出人は同じだろうが、心当たりはない。とにかく開いてみたほうが早いと、クリス達は巻いてあったリボンを解いて紙を広げた。
 中に書いてあったのは、昼食会への招待状だった。差出人はスラグホーン教授という、ハリーが以前言っていた新しい先生のようだ。
 クリスはその紙をろくに読みもせずにグシャッと丸めて窓から外に放り投げた。

「えっ!?良いの、クリス!?」
「誰が行くか、こんなもの」
「でも……一応先生だよ?」
「いまさら教師の言うとおりになる様な人間だと思うか、この私が?」

 クリスが胸を張っていうと、その場に居たルーナ以外の全員が苦笑いをした。

「ぼくは行こうかな……初めから先生に悪く思われたくないし……」
「う~ん……僕も一応行っておこうかな?そうだ、透明マントを持っていこう!途中でマルフォイの様子を探れるかもしれない!」
「そう言えば、さっきもドラコがどうとか言ってたな。何がそんなに引っかかってるんだ?」
「マルフォイが監督生の権力を振りかざす機会を逃しているのが気になるんだ。アイツ、そういうの絶対に逃しそうにないのに」

 そう言うと、ハリーは服の中に透明マントを隠しネビルと一緒にコンパートメントを出て行った。
 確かにハリーの言う通り、お目付け役の先生がいない列車の中で、監督生の権限を悪用しないなんてドラコらしからぬと言えなくもない。
 クリスは考え込むように口元に手を当て、それからロンとハーマイオニーの方を振り返った。

「なあ、『ノクターン横丁』でのことを覚えているか?」
「そりゃもちろん」
「私が思うにドラコが馬鹿みたいに強気な時って、絶対に強力なバックがいるんだ。今回もそうだと思う」
「まさか貴女も、マルフォイが『死喰い人』になったなんて言いたいの?」
「ないない、絶対に有り得ない」
「あたしは有り得ると思う」

 それまでザ・クィブラーに釘付けになっていたルーナの目が、気づけばこちらを向いていた。その目はいつのものようにぼんやりとしておらず、真っ直ぐクリス達を捉えている。
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