第9章 桃色の砂浜
「ゲガッ」
「どうしたのゲンガー?」
ゲンガーが手に写真を持っていた。
それは美しい砂浜にナッシーが
佇んでいる様子だった。
気づいた博士が声をかけてくる。
「あぁ、それはニジイロビーチの写真だよ。
攻撃的なポケモンが意外と多くて
生身では少し危険なエリアだけど
今はゲンガーがいるしね。
まだ距離感をつかめていないだろうから
暖かな気候の島はうってつけだ。
せっかくなら行ってきたらどうだい?」
ゲンガーと顔を見合わせる。
ゲンガーがわざわざ見せに来たのだ、
なにかしら理由があるのだろう。
ナッシーが気になるのかビーチが
気になるのかは分からないけれど。
「行ってみようか、ビーチ」
「ゲン!」
目元が嬉しそうになる。
ビーチかあ、また釣りをするのもいい。
そうだ、水着も持っていこう。
暑い島と聞いてたから持ってきたけど
今まで出番がなかったんだよね。