第3章 【レムナン】ねむりひめ
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合成プラントには先客がいた
彼女は、確かアカリさん、だったはず……
どうやら眠っているようだったので、
工具だけを借りることにした
工具を返しに来ると、彼女はまだ眠っているようだった
『――5分後に、空間転移を行います――』
LeViさんからアナウンスがあったので、部屋を出ようと思ったけれど
どうやら彼女は気づいていないようだった
「あ、あの……」
一応、声をかけてはみたものの、彼女は起きる気配がなくて
「あの……!アカリ、さん……!」
「……、?」
ようやく気がついたようで、ぼんやりした彼女と目が合った
「あの……も、もうすぐ、空間転移、だそうです……」
「……、うん」
そう言うと、彼女はそのまま出ていってしまった
……僕も、部屋に戻らないと