第10章 【沙明】待ち人
LOOP **
……
沙明が見当たらないようだが……
まさか、と思いセツの方を見る
「いや、今回はやってないよ。まだ」
まだ、というのが少し気になったが、
ひとまず無事でよかったと思っておこう
「というか、まだ呼びに行っていないんだ。
だけどそろそろ呼んでこないと不味いかな……」
「沙明、来ないね。私、呼んでくるよ」
セツと話していると、アカリがそう言ってメインコンソールを出ていった
任せて大丈夫なのだろうか……
「ひょっとして、このパターンははじめてかな」
セツがどこか楽しそうに笑っている
「アカリがいる時は、彼女が沙明を呼びに行ってくれるんだ
今回のループではアカリが居てくれて助かったよ」
アカリとはまだ数回しか会ったことがない
彼女のことはあまり知らないが、彼女は沙明と仲がいいのだろうか?
「もう少しだけ待ってみよう
きっと直に戻ってくるよ。勿論沙明を連れて、ね」