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カワイイ俺の……

第11章 一緒に


翌日、私は部屋から出された。

何故かはわからない。



秀一くんはニコニコしてて、出会った頃のような顔だった。

可愛い…


可愛くて…弟で…




私の好きな人…














「お姉ちゃん?」

「ん…?」


ひょこっと私の顔を心配そうに覗く。

「大丈夫?」

「うん」


なんか変な感じ…中身がなくなったみたいだ。

フワフワする…。



「今日はお父さんとお母さんが帰ってくるね!」ニコッ


「え…」







そういえばそんなことを言ってたような…。


「お昼くらいに着くって言ってたから、そろそろー…」



ピンポーン



「あ、来たみたいだよ!」

小走りして玄関に向かう秀一くんの後ろ姿を、ただただぼんやりと眺めていた。

「ただいま秀一くん、美琴!」

あ、お母さんだ。

お母さんの声だ。



当然だけど、そんなことを思った。


同時に、頬を何かが伝った。


「?!ど、とうしたの美琴!」

私の目からは涙が流れていた。

音も無く、ひたすらに。


お母さんの声が心に染みこんできた。

「…っ!なんでも…なんでもないよ!おかえり!お母さん!!」

この時の笑顔は、心からの物だった。




「…」

そんな私達のやりとりを、静かに睨んでいる人がいるなんて気が付かなかった。











「あのぉ…お父さんもいるよ??」←






「おかえり父さん」


「秀一ぃ…ありがとなぁ…」←





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