• テキストサイズ

【R18】You belong with me 【赤井秀一】

第1章 出逢ってしまったふたり




「しらない…!わたしはもう、諜報員から足を洗ったの!何も知らない!」

「…」


信じない。と言う目をした赤井秀一に、
わたしは根負けして弱音を吐いた。
負けたくなかった。けど、この刺すような瞳に敵わないと本能的に思った。


「腕…痛いの。離して…」

「…すまない」


赤井秀一は、意外とすんなりと腕を解放した。


「とにかく、わたしはもう組織とは何の関係もないの。
組織はわたしを死んだものと思ってる。
だから、もういいでしょ?
手当て、どうもありがとう。
もう二度と会うことはないと思う。さよなら。」


そう言って、この屋敷を後にしようと部屋を出る瞬間、
後ろから抱きつくようにして赤井秀一に捕まった。



「逃がさない」

「な…!」


少し高いところから覆われた大きな肩幅に包まれ、
耳元で響く低い声に、思わず心臓が鳴る。


「仮の姿も、この俺が生きていることも知られたんだ。このまま帰すわけにはいかない」

「誰にも話さないってば…」

「信用できないな。
第一、帰る家はないとさっき言っていただろう」

「それは!これから見つけるの」


全くアテもないのに口から出まかせでそう言うと、赤井秀一は思いもよらない提案をしてくる。


「ここに住め。」

「何言ってるの?そうしますー。って言うわけないでしょう?」

「お前が出ていったら、俺はお前が生きていることをお前のいた組織の人間に漏らす。わかりやすい取引だ。」

「そんな…」

「お前は俺を監視できて、俺はお前を監視できる。良い提案だと思うがな」


半ば脅迫に近いその提案を、今のわたしは飲むしかなかった。

普通の生活 普通の幸せを求めて光の世界に飛び込んだはずなのに

こんな危ないやつと一緒に暮らすことになるなんて。


最悪。
最悪オブ最悪。

このときはそれしか思わなかった。

望んでいた恋をする相手が
赤井秀一になるなんて、思っても見なかった。

この人を、一生で一番愛することになるとは

想像もできなかった。



/ 1733ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp