第3章 鍛錬
カンカンカンと竹刀が音を鳴らす
久しぶりにカナヲと手合わせをする
隊士になって2度目か
随分と攻撃の速度が速くなったように思えた
打ち合いを続けて「やめ」と言うまで竹刀はぶつかりあった
「カナヲ、随分成長したね」
「ありがとうございます」
カナヲは一つ礼をする
「ふぅ」
私といえば何一つ成長できていない
油断すれば鬼にやられる
そんなミスをして柱になんかなれるものか
「また、手合わせしましょうね」
「はい!」
ありがとうございました、とまた一礼してカナヲは道場を去った
汗を流したので湯浴みをしようと屋敷の風呂へと向かった
少しだけお湯を沸かし体の汗を流す
「気持ちぃ」
桶でお湯をかぶる
どうせならもう全部洗ってしまおう
頭の先から足の先まで石鹸で綺麗に洗った
浴衣を着て自室に戻る廊下で外を見ると人影がチラつく
「...誰」
「俺だぁ」
この声は
「不死川さん?」
今更何をしにこんな夜に
今日は任務がなかったのだろうか
私が名前を呼ぶと敷地内へと入ってきた
少しずつ近づいてくる
「湯浴み、してたのかぁ」
「そうですけど」
「髪、濡れてるぞ」
私の濡れた髪をそっと触る
その手が優しくて振り解くのを忘れてしまった
「なんですか」
「いや、今日のこと」
謝りにでもきたのだろうか
「律儀ですね」
そう言うとぽりぽりと頬を掻く
「悪かったなぁ。あんなこと言ってぇ」
申し訳なさそうに不死川さんはそう言った
「尻軽女なんでしょ?私は」
「それはっ!!おまえが...色んな柱と飯なんか食いにいくから」
「私が誰とご飯食べに行っても不死川さんには関係ないじゃないですか」
「...そうなんだが」
どこかバツが悪そうに言葉を濁す
「はぁ...もぉいいですよ」
仕方がないので私の方が折れることにした
「私も怒ってしまってすいませんでした」
頭を下げると不死川さんは
「おめぇは悪くねぇよ」
「じゃまたお食事お誘いしてもいいんですか?」
「...ぁあ」
「冨岡さんもお誘いしますよ」
「冨岡はやめとけ」
「なんでですか」
「冨岡を誘うのは気にくわねぇ」
なんだそれは
結局不死川さんの言いなりにならないとダメなのか
「それでも私は冨岡さんをお誘いします」