第14章 誰が2番?
「どっちもだよ?1番はお父さんにがんばれってするけど、みんな大好きだからどっちも!義勇お兄ちゃんも大好きだよ!」
茉莉花の花言葉には『清浄無垢』の他に『愛想がいい』というものもある。
花言葉を忠実になぞった朱莉の性格に、杏寿郎とは穏やかな笑みを浮かべて喜び、直接大好きだと告げられた義勇を含め柱の皆が頬を弛めた。
「お前らの教育方法を知りてぇわ!俺の息子なんて俺にさえ人見知りしてんぞ……嫁たちにべったりで甘えてさえくれねぇ」
天元も朱莉が生まれた1年後、息子を授かった。
これがまた天元や嫁の遺伝子を色濃く受け継ぎ、とてつもなく顔が整った綺麗な子供だ。
唯一、天元の天真爛漫さは受け継がれなかったようだが。
「教育も何も朱莉はのお腹の中に人見知りを置き忘れてきたので、誰にでもよく話し誰にでも無警戒について行くぞ!少し目を離せばご近所さん宅で保護されているので、最近は特に目が離せん!」
「嘘だろォ……母親と同じで警戒心ゼロかよ。煉獄……本当に心配事が2倍だなァ!っと、朱莉への小言は後だ。宇髄、今年こそは負けねぇからなァ!」
天然の人たらしで警戒心が母親と同じく地下の朱莉の頭を天元と実弥が次々にポンと撫でながら、狂気を感じさせる笑顔で睨み合って土俵の中へと足を踏み入れていく。