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月夜の欠片

第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ


暫く走り続けていても杏寿郎の表情が緩まることはなく、小さく溜め息を零して徐々に速度を落とし……やがて立ち止まった。
何が起こっているのか、後ろや横から聞こえてきた音や声で何となく理解出来ているも眉を下げて小さく息を零す。

「気付いていると思うが徒党を組んで男たちが追いかけて来ている。君を連れ去って何をしたいのか……考えるだけで腸が煮えくり返るな。可能な限り俺が相手をするので、は俺の前に出ないで……」

「何を望んでいるのか私にはさっぱりです。ですが良くないことだと分かりますので私も相手をさせていただきます。こうすれば問題なく動けます!」

こんな時に限っては杏寿郎の言うことを聞かない。
杏寿郎が止める前……話しながら浴衣の裾を帯に挟み込んでいるものだから、今度はに対して大きな溜め息を吐き出した。

「全く……どうして君はこういった時だけ俺の言うことを聞かないんだ。仕方ない……一般の人間と言えど男だ、絶対に気を抜くな。そして踵落としで頭蓋を陥没させるようなことだけはしないでくれ、いいな?」

「せっかくの楽しい気分に水を差されて私も少し怒ってるんです……あ、出てこられましたよ?私はこちらの3名のお相手を全力で致します。そちらはお願いいたします」
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