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月夜の欠片

第7章 ※ 第25章 決戦と喪失 1812~1813ページ


写真が届いて暫く経過した本日、にとって楽しみにしていた催しに杏寿郎と2人で赴く。

「この前見つけた浴衣だな!よく似合っているぞ!」

今日は屋敷から少し離れた川辺で行われる花火大会の日。
杏寿郎によると屋台も多く出るらしく、数日前からずっとはそわそわしていた。

そんな特別な日のために物欲のないが、理想の浴衣を求めて呉服屋をハシゴしたらしい。
日が高いうちは門下生たちに稽古を行うので、必然的に夕刻前の出発となり……心配性な杏寿郎が必ず付き添っていた。

なかなか気に入る浴衣が見つからず悩むに苦言を呈すどころか、知りうる限りの呉服屋へ案内してやっていたので杏寿郎自身もの付き添いを楽しんでいたのだろう。

「ありがとうございます!私の日輪刀の色と杏寿郎君の日輪刀の色です」

「ふむ、君は水面で俺は金魚になるわけか!」

が探していたのは全体が薄紫に染められた金魚柄の浴衣。
これがなかなか見付からず、後半しょんぼりしていたのを杏寿郎が励ましてようやく見付けたものだ。

「そう……なりますね!風鈴にも描かれているお気に入りの柄です」
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