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月夜の欠片

第6章 第26章 月と太陽 1873ページより


「ずっとご機嫌だな。楽しかったか?」

あれから皆でひとしきり笑い、現在は居間で風鈴を眺めながらは杏寿郎の脚の間にすっぽりおさまり楽かった時間の余韻に浸っている。

「はい!杏寿郎君も天元君も、門下生の皆さんも笑顔でしたから。明日のお稽古も楽しみです。でも奥義を放つのは決戦以来なので、上手く出来るか少し不安……に思います」

少し前屈みにしていた上体を後ろに倒し、大好きな暖かさに身を委ねて頭も一緒にコテンと杏寿郎の胸元に預けた。
の瞳に映ったのは優しく目を細めて自分を見つめる杏寿郎の顔。

「それならば朝早く起きて稽古場で手合せしてみるか?柱稽古で君は炎の呼吸に耐えうる体を手に入れているので、心配無用だと思うがな」

様々な事態を想定しては特異能力を封じて柱稽古に挑んでいた。
そのお陰で柱稽古前と比べの体は一段と引き締まり、自己修復能力が機能しなくとも炎の呼吸を扱えるようになっていた。
つまり今も尚鍛錬を怠っていないは奥義を放てるのだ。

「杏寿郎君と技を使って手合せは決戦前以来です!ぜひお願いします!……杏寿郎君と一緒にする事は何でも楽しくて仕方ありません。こうして甘やかしていただく時間すら楽しく幸せです」
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