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君想う

第1章 桜ひらひら


グゥグゥとこたつで寝てしまう玄弥

「玄弥もあんなに小さかったのにもう高3なんだねー」
「だなぁ」
「あたしは成人してもぜーんぜん変わんないや」
「良くも悪くも変わんねぇなぁ」
「え?なにそれ」
「なんでもねぇ」

玄弥が寝ている為静かに話す二人

「はぁ〜新しい恋さがさなきゃ」
「別に急がなくてもいいんじゃねぇの」
「だって春だよ!?」
「だから?」
「春と言えば恋じゃない!?」
「どんな理論だよ」

最後のビールを飲み干した頃
「さてと」と立ち上がるちひろ

「帰んのか」
「うん」
「送るぜぇ」

そう言って上着を手に取る実弥

「え、いいよ!明日も仕事でしょ?」
「女がこんな遅くに一人で出歩くなよ」
「女の子扱いしてくれんだぁ〜」
「一応女だってこと自覚しろやぁ」
「一応ってのは何よ」
「中身は男みてぇなもんだろ」
「んなぁ!?」

「はいはい行くぞ」とちひろの頭を後ろから掴んで玄関に進む

外は肌寒い
実弥はポケットに手を入れ肩をすくめる

「うぅーストールくらい持ってきたけばよかったぁ〜」
「さみぃな!」
「ちょっと!ポケット貸してよ!」
「はぁ!?」

ちひろは実弥の手が入ったポケットに自分の手を入れる

「はぁ〜あったかいっ」
「ぉい」
「いいじゃない」
「よくねぇよ」
「わかった!実弥好きな人いるんだ!こんなところ見られたらマズイよね!ごめんごめん!」
「ちげぇよ!!」
「いないの?」
「...いや、」
「いるの?」
「... ...」
「じゃぁ見られたらマズイじゃん」

と手を引き抜こうとするとそれを実弥の手によって阻止される

「?」
「寒みぃんだろ」
「まぁ...」
「いいよ、このままで」
「...そぉ?」

ふーん?とちひろは鼻を鳴らし実弥の言われる通りそのままポケットに手を入れていた

ポケットの中は実弥に握られた手がやけに温かかった
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