第1章 出会い
ああ、俺、死ぬんだ。
傷つけられ、血がどくどくと溢れるのがわかる。
地面に横たわり、霞む意識の中、空を見上げる。
『どうしたの––––––?』
鈴がなるような声がした。
ぼやける視界の中、必死に目を開けると、
輝くような銀髪が目に入った。
炭「俺………怪我……」
助けて––––と言おうとして、俺は絶望した。
その少女からは鬼の匂いがしたから。
怪我をしている俺のことも瞬く間に食ってしまうだろう。
しかし、少女は目を見開いた。
『怪我、してるの?』
炭「……あ、」
喰わない……?
俺も目を見開いた。
銀色の目と視線が絡み合う。
少女は俺に近づき、懐からビンを出した。
『見様見真似だから……できるかなぁ?
痛いかも、しれないから……。だから、ごめん』
少女は一言謝り、俺の傷に触れた。
炭「いっっっ…」
あまりの痛みに、俺は気を失った。