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walking proud~呪術廻戦~R18~

第4章 bruise


2階に上がる階段の途中から、早くも夏油が自分の中の呪霊を引き出した。

彼の能力は、体内に宿した数千もの呪霊を使役する呪霊操術だ。
降伏させた呪霊を自分の身に宿して自在に使役する。
夏油の場合、二級以下の呪霊であれば無条件に取り込むことが可能らしい。


「んー、メインはどこかな」

今呪霊を出したことにより、迫ってくる細かい呪霊たちは塵のように消されていき、自分たちはなんなく歩を進めている。

ハッと気配を感じたレイは瞬時にピアスを上に投げた。
それが強力な竜巻を興し、上から迫っていた数体の呪霊が雄叫びを上げて消えた。

「…さすがレイ。じゃあ上は頼むよ」

そう言って夏油に手を離され、真剣に頷いた。

しばらくしてから、首をかしげずにはいられなくなってくる。

「なんか…おかしいよね?さっきから細かいのはたくさん来るのにどれも3級以下。森さんの言う準2級以上はどこ?気配もない」

「ああそうだね。もしかしたら準1級かそれ以上かもしれない。気配を消すのが異様にうまいし、我々を様子見しているような知性を持ち合わせている節もある…」

その言葉に、息を飲む。

「まさか特級…?ってことはないよね?」

「それはないとも言いきれないね」

「っ…」

突然夏油はグイとレイの腕を引き、また数体呪霊を出した。

「いいかいレイ。今から一気に上に登る。細かいの相手にしてたらキリがないから屋上まで駆け上がる。その間の邪魔な奴らは排除してってくれ。私は自分の呪霊を先に行かせながらそいつを探り当てる」

「わかった…」

互いに大きく頷いた瞬間からすごいスピードで上を駆け上がり、廊下を通り抜ける。
その間に邪魔な呪霊を2人で切るようにして遮って行った。
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