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walking proud~呪術廻戦~R18~

第20章 curse


そんなこんなで、何度かこのようなことを繰り返し、伊地知が一体ほどやっつけることができたところで、レイの呪霊操術が全ての呪霊を祓って任務は終了した。

ここから高専までは、歩いて15分ほど。
補助監督全ての車が出払っているというのもあって、3人で歩きながら高専に帰ることにした。
クマは自身の呪力が届く範囲内であれば、己の身を瞬間移動させることができるため、今日は森さんを足に使っていなかったらしい。


「伊地知くん、あの調子だよ。とにかく呪力を無理やり術式に乗せようとすると、バランスが乱れて集中力も削がれるし、攻撃範囲がずれるから。というか、そもそも呪力はどこからやってくるかを知ってる?」

にこやかに伊地知の顔を覗き込むレイに、伊地知はまたドギマギする。

「…えっと、自分自身の負の感情…ですよね」

「そうっ。自分自身の負の感情を火種に呪力を捻出して、呪霊と戦うということはつまり、どんな状況下でも自分の感情を一定に保つ必要が出てくるってことなの。」

「伊地知、てめぇは呪力が少なすぎるからな。このままだと確実によえーまんまだぞ。術式を使用するために、一定量の呪力を維持し、さらには長時間使えるように持続性も必要なんだ。」

クマのその言葉に、レイも真剣な顔をして付け加えた。

「だからね、呪術師はいついかなる時でも、呪力を捻出して戦わなきゃいけない。そのために、ほんのわずかな負の感情から呪力を捻出する訓練を今日みたいにしていかなくちゃ!」

「はい…精進します…」


レイがにっこりと頷いたあと、上を見上げてため息を吐いた。

「それにしても〜、やっぱり天災の影響は大きいね…ぜんっぜん休みがない…皆揃うこともできなくなってるし…」

クマはそんなレイの脇に抱えられながら、うーと唸った。
やはりクマも寂しさを感じているらしい。

「呪術師が己の負の感情から呪力を生み出すように、呪霊は人間の負の感情が集まって産まれることになるんだ。だから単純に人間の数が多ければ、それだけ厄介な呪霊が産まれるっつーこった。しかたがねぇ。」

「…うん。」
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