第21章 九条 鷹匡
季節もあっという間に過ぎ、気付くとRe:valeはもうすぐ5周年を迎えようとしている。
そんな中、遂に九条 鷹匡が現れた...
4人で話をした後、千と私が個別で呼ばれて1対1で話しをすることになった。
(千は何言われたんだろう。どうせゼロを超えるアイドルにだろうけどさ)
「単刀直入に話すと、君にも凄く興味があるんだ。男女のアイドルグループは反感を買いやすいだろう。それに君はソロでやっていけるくらいの素質を持ってる。僕と一緒にゼロを超えるアイドルにならないかい?」
「なりたくありません」
ハッキリとお断りを入れると、九条は突然笑い出した。
怖っ...本物、そうとうヤバい奴なんじゃないかな...
千に話した内容はわかんないけど、どうせ同じだとは思うけどさ。
「君も千も、中々面白い子だね。千もそうだけど、君も個人でやっていけるはずだけどな。今のままでいいのかい?もっと上を目指せるというのに」
「私は今が大切で好きだし、1人でなんて考えたことないので。失礼します」
そう言って、九条の元を離れた。
2人の元に戻ると、心配そうな顔でこっちを見ている。
「あいつ、なんだって?」
「ゼロを超えるアイドルにならないかだって。なるわけないじゃん!てか、千は?どうせ同じこと言われたんでしょ?」
「あぁ、うん。ならないって言った」
もう来ないでほしいけど、また来るんだよね...
万は二流なんかじゃないのに...そんなこと、何も知らない奴に決められたくない。
「七桜、大丈夫か?」
万はまだ心配そうな顔をしている。
「うん、大丈夫だよ。でも、なんか別の意味で怖い人だったね・・・いきなり笑い出すし・・・でも、また来そうな気がするな・・・」
「断ったのに?」
「ちょっと普通じゃない感じの人だったでしょ?千、いい話にコロッと騙されたりしないでよ?」
「しないよ。万と七桜がいるのに、どうして1人でやらなきゃいけないの。それにゼロを超えるとかどうでもいいし。まぁ、でも確かに、警戒はした方がいいかもね」
千がそう言ってくれて、少しは安心できた。
それでも、心に不安が残るのはこの後の出来事を知ってるからなんだろうか...
万と話した方がいいのかなぁ...
あいつのせいで万が傷付くのは見たくない。
本当、どうしたらいいんだろう...