第28章 活動状況
Re:valeとして本格的に活動するため、3人のボイトレが本格的に始まった。
悟くんが遅くなるときは、私が右手でピアノを弾きマネをして練習をしている。
千は相変わらずのセンスで音域もかなり広がってきた。
百はあともう少しってところだろうか。
それにしても、百は初めてなのに慣れるのも早くて呑み込みも早い。
私もそれなりに良い仕上がりになってると思う。
悟くんは厳しいから、なかなかOK出してくれないけど...
でも、優しさからくる厳しさだと知ってるからこそ上達も早い。
今はライブできないけど、こんな活動でも3人一緒に前に進んでると実感できるから楽しい。
最近は、足のステップや簡単なダンスを千に教わっている。
これが結構楽しくて、百はサッカー選手だっただけあって体幹がしっかりしてるし、センスも良い。
今日は悟くんがある人を連れてやって来た。
1人は振付師やバックバンドとしての仕事もしてる征司さんと、スポーツ選手や有名人を専門に診ている怪我やリハビリ専門で働いている大輝。
大輝が近づいてくるから、自然と足が後ろへと勝手に...
だって、怖いんだもん...
「おい、腕診せてみろ」
「なんで・・・?」
「いいから早く診せろ」
逃げられないと思って、渋々だけど腕も出して診てもらう...
何かに納得しながら、腕を軽く動かしたり回したりしてる。
千と百は、その光景を心配そうな顔で見てる...
「だ、大輝・・・痛いんだけど・・・」
「そりゃぁ当たり前だ。骨は無事くっついたみたいだけど、肩は壊すと長引くし癖にもなる。お前のカルテは病院で引き継いだからもう診たけど・・・もうギブス取ってもよさそうだから、今すぐ取るぞ」
「え?」
その場にいる全員が驚いた。
そりゃそうだ...病院じゃなくて家で取るなんて聞いたことないし...
「これあると不便だろ?まぁ、取ってもしばらくはサポーター付けてもらうけど。俺のリハビリ受ければ、すぐ前みたいに楽器弾けるようになる。ドラムみたいな激しいのは様子見ながらになるけどな」
まさか、そんなわけ...と思ってると、俺が誰か知ってて言ってんのかと目で訴えられた...
怖くて悟くんに泣きつくと、泣いてんじゃねぇよと暴言...
そして、強制的に悟くんから引き離され、お父さんも助けようとしてくれず、大輝に連行されてしまった...