第26章 説得
あれから千は毎日病院に来るようになり、百が説得に行けてない状態が続いていた...
早いとこ説得しないと、色々大変な事になる。
千は朝早いの苦手だから、早朝に行ったら絶対ウザがるだろうしなぁ...
千のいない時間を見計らって来てくれた時にどうしようか話しはしてるけど...
そんな私も、そろそろ退院できることになった。
当日は当たり前のように千がいて、百が来ることはできなかった。
その変わり、退院祝いしてくれると言ってくれた。
千はお父さんにグチグチと文句を言われてる...
(さすがに、可哀想になってきた・・・)
「もう終わったことだからいいでしょ?」
千を家まで送ってから、実家へと帰る。
お父さんとお母さんとも話し合って、骨折状態で叔父さんの家にお世話になるのは迷惑かけるから、治るまで実家に帰ることになった。
どうせライブだって出来ないし...学校だけだもんね。
家からだと学校は遠くなるけど、成績は別に問題ないし...単位も大丈夫なはず...
久しぶりにお母さんのご飯を食べて、懐かしく思った。
悠斗も家に帰って来たと喜んで色々話しを聞かせてくれて、久々の一家団欒を楽しく過ごした。
日曜日、今日は百と連絡を取り会う約束をしていた。
心配だから家まで迎えに行くと言って聞かない百に、強引に待ち合わせ場所を指定して電話を切ってやった。
「七桜さん、ここです!」
「ごめん、遅くなって」
「まだ時間前なので大丈夫ですよ。七桜さんを待たせるわけにはいきませんからね。怪我大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう」
「行きましょうか」
退院祝いに百が連れてきてくれたのは、外観の可愛いオシャレなカフェだった。
「このお店、可愛いね」
「カフェで退院祝いなんて、すいません。でも、味は保証できます!姉ちゃんもオススメなので」
「瑠璃さんのオススメ、楽しみ!」
中に入ると、テーブルや椅子、照明や小物、置いてある物がすべてオシャレで可愛いで溢れていた。
雰囲気、それだけでその店を気に入ってしまった。
「いらっしゃいませ。お席ご案内しますね」
働いてる店員もオシャレな人ばっかり。
メニューを見ると、それは可愛い物ばかり詰め込んだメニューだった。
「七桜さんは何にしますか?姉ちゃんはどれも美味しいって言ってましたよ」