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未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第22章 悲劇



俺は、七桜さんがあんなに不安に思っていた事が実際に起るなんて、これっぽっちも思っていなかった...



私は今回だけ1曲でピアノとギターの2つを演奏することになっている。
万の代わりにとは思ってるけど、落ちてくるタイミングがわからない。

(どのタイミングで落ちてくるかまでは描かれてなかったもんな)

曲が始まり演奏するけど、照明が気になって客席に目を向ける余裕がない。
ピアノ演奏を終えて、ギターに変更するため肩に掛けて弾こうとしたとき...

「千っ!!」

万の叫ぶ声が聞こえた。
振り向くと、手を伸ばして千をその場からどかそうとしてるのが見える。
私もギターを背中に回して、万に向かって走り出す。

「万っ!!」

ほんの一瞬の出来事のはずなのに、すべてがスローモーションに見えた...
ギョッと驚いてる百の顔も見えた。

落ちてくる照明から、万に当らないようにするには押すか引くか...押した方が怪我は最小限で済むと思い、思いっ切り力を込めて万を押し飛ばした。

「七桜っ!!」

万と千の焦った顔が見えたところで、私の意識は途絶えた。
もちろん私は救急車で運ばれ、ライブも中止になった。

意識がないなか、万はどうなっただろうとずっと心配だった。
記憶の中だと頭を打って血が出てたはずだから、それは避けられたと思う。
万が無事でいてくれたら...千も大丈夫だよね...
例え私がいなくなったとしても、Re:valeは続けてほしいな。

目を覚ますと、ベットの周りには家族と千と万が集合していた。

「七桜っ!!」

千は目を覚ました私を見て泣いている。
万は頭に包帯をして怪我したみたいだけど、大怪我って感じではなさそうでホッとした。

まだ意識がちゃんとしてないから、話したくても上手く声が出ない。
私に抱きついて、千が心配したと泣いている。
あの千が目を赤く腫らして泣いている。

(どれだけ泣いたのよ・・・)

「ゆ、き・・・ば、ん・・・」

やっと声が出たけど、本当小さい声。
お母さんと悠斗も心配して泣いている。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

不安そうな顔で悠斗が聞いてきた。

(可愛い・・・)

せっかく目を覚ましたけど、まだ眠くてそのまま眠ってしまった。
万の怪我がどれくらいだったのか知りたかったのに...



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